
相変わらずとても遅い新年の挨拶
毎年1月はなにかと色々あってブログが遅くなる。今回は新年に入り治療内容が変更になってしまったので副作用の調子が読めずに結局こんな時期になってしまった。
世間は今年に入っても新型コロナ感染一色で大変!ワクチンの進捗状況も気になるところだがまだまだ先行きがみえない状況は続きそうだ。
そんななか宇部市内の病院ではクラスターが発生して一気に身近なところまでせまってきた、そんな感じ。
以上の状況を鑑み、本当に断腸の思いですが立ち会い分娩をまた中止にしました。感染状況の改善をみながら出来るだけ早く再開はしたいと思いますがそれまでは何卒ご協力の程よろしくお願いいたします。
この話をすると皆さん中止に納得はしてもらえるけどとても残念そうな表情をされるのでこちらとしても本当につらいです・・・
僕自身は病気の治療開始から2年が経ち色々な人からの応援、手助けもありなんとかここまできたが、もう一つがんばれた理由は
「産婦人科で良かった〜」
ということ。
お産をがんばって産まれてきた元気な赤ちゃんをみるお母さん達の満面の笑顔は見ているだけでものすごい勇気づけられる。赤ちゃんの生命の持つたくましさ、力強さを肌で感じることで自分の治療に対する気持ちを前向きにさせてくれる。(悪い面だけ見て産婦人科医のなり手がなかなか増えてこないのは本当にもったいないことだと思う)
そんな妊婦さんへ少しでも恩返しできるよう、不安にならないようにこれからも病院として出来ることはしたいと思うのでみんなで一緒に乗り越えていきましょう。
そういえば先日古い友人からの応援メール
僕が柔道部だったことになぞらえて
病気の治療は「一本勝ちじゃ無くても有効の積み重ねで勝ちをつかみ取ろう」
うまいことを言う(勝手に使わせてもらったよ、いっつあん)
あと治療内容が変わってもう一つの影響は
また髪が抜ける・・・。
せっかくここまではえたんだけどな〜(いやいや大して生えてない?)
この年の瀬
さあ師走だ!年の瀬はなにかと慌ただしい・・・と思いきや、様子が違う今日この頃。コロナは事実上の第3波まっただ中でわくわくするというよりぞわぞわする。
忘年会は全て中止となり、(当院の忘年会も泣く泣くやめました)コロナでほとんど出かけることもなく(そもそも病気でずっとす巣ごもり中だが)走り回るようなこと(師走)もないなあ。クリスマスケーキやおせちの予約、年賀状の準備をするから年末を意識するけどなんだか気持ちが落ち着かない。
でも自分にとってこの一年が無事暮れていくことについては昨年以上に感慨深いものがある。
「長かった〜〜〜!!!」
というのが正直な気持ち。
普通このくらいの年齢ともなれば(どのくらいの年だ?)お決まりの文句は「もう今年が終わるよ、あっという間だ。年を取ると一年経つのがどんどん早くなるね〜」って感じが普通だが、僕にとってはここ最近の人生の中でも最長に近いくらい長く感じた。
昨年末の病気判明から1年半もの点滴治療を受け、紆余や曲折がありまくりを続けてきたがなんとか経過は良い方向に。
そして7月にはなんと手術してもらえたことは大きな出来事だった。入院中も色々あったが無事退院でき今はまた点滴治療継続中である。
全体的には術後の体調はこれまでになく安定感が増してきている。点滴した数日はダメダメだが、それ以外はあまり診療を休むことなく続けていけるってのはすごい。(自画自賛)
もちろん加藤先生をはじめスタッフの協力無しではとても病院を分娩を続けていくことは不可能だったので感謝、感謝である。コロナで忘年会が出来なかった分はGo toイートのチケットをスタッフにプレゼント。せめて家族でおいしいものでも食べておくれ。
大変な経験をしたが、自分としては人間的に成長しているってことを実感する。特に人生観について真剣に考える機会があったことは自分にとって大きな財産になった。毎日を何のためにどう生きていけば良いかが何となく分かりはじめ、肩の力が抜けていき、色々な事象に対する視界が一気に広がることですべてが楽しめるようになった。この感覚を診療に生かせば患者さんに対してまだ役に立つことはあるんじゃないかと考えている。この調子でもっと成長していければ良いな。(かといってそう何度もこんな経験はしたくないが)
スタッフがこんな病気になるのはつらいのでこれを良い機会と考え、積極的に健診を受けるよう全面的に補助することにした。
また県内ではコロナ禍で健診率が減少しているということですが、コロナと健診は分けて考えみなさん健診はちゃんと受けましょう。つらい思いをするのは僕一人で十分です。宇部市の受診券も一部2月一杯まで延期されたそうですよ。
それにしても寒くなってきた。特に頭がちょっと寒い・・・
仕事も終わって自宅のリビングでゆったりしてると後ろから『ふ〜っ!、ふ〜っ!』と髪に風が当たる?!ん?
「おい。なにやってんの?」
振り返ると下の子が後ろから髪に息を吹きかけている。
『まだまだやね』
「いやいやジャングルみたいに結構伸びてきたやろ?」
『まだ草原の草程度やね』と言いながら頭をペしペし
失礼なやつだ。
しかし最近微妙ながらも伸びてきたので髪を切ってきた。
家に帰ると
『あれ?お父さん髪切ったの?』
「おう、前髪がうざいから」
『笑』
さて来年もしま産婦人科はスタッフ一同がんばっていく所存ですのでよろしくお願いいたします。
記念写真
10月に入ってなんとか山口県内の新型コロナ感染が落ち着いていたので立ち会い分娩を再開して一ヶ月。
やっぱり一人だけでも付き添ってくれる家族がいると患者さんの気持ちは全然違う。
もちろん感染対策はしっかりしながらだし、国内の感染状況も踏まえながらでいつまた中止になるか分からないができるうちはなんとか続けていきたい。
ただ入院中の面会は相変わらず中止しているので生まれた赤ちゃんに家族が会えるのは退院の時が初めてということも良くある。
だから退院写真の時はみんなの笑顔もほんとすてき。
お見送りで車に行くまでも抱っこしたお母さんの横でみんな赤ちゃんに寄り添いながらかえっていく。家に帰ったら熱烈歓迎されるんだろうな。
自分の初めての子供の時はいっぱい写真を撮った。
家族で集まったとき,何かの記念日、遊びや旅行で出かけたとき等々。
でも初めて幼稚園のお遊戯会で見た光景にはびっくりした。観覧席が記者会見さながらのカメラの数で三脚立て、すごい望遠レンズでみなさん手当たり次第に我が子を撮りまくる。動画なんかは下手すると開会式から全部取ってる人もいる。
お〜、こりゃすごい!ちょっと圧倒された。イヤみんなここまでするんだ!うちはちょっと・・・とか思ってたが気がついたら自分たちもやってた。まあ下の子になるにつれ徐々に情熱が減っていくが(イヤもちろんみんな同じようにかわいいんだけど)子供たちの記録は自分たちがしてあげなければ形に残らないと責任感に駆られがんばって撮ってきた。
その考えで子供の成長記録を考えると妊娠中お腹の中にいるときの写真は超音波でないと見られない。お母さんも胎動があるから元気かどうかは分かっても何をしてるかは超音波でないと分からない。
だから妊婦健診の時は心がけて色々撮ってあげようと思ってがんばる。今どんな格好で何してるのか出来るだけ分かるように見せてあげる。写真も撮ってあげてるし,スマホなど動画撮るならどうぞと言ってる。割と採算度外視で色々しているのであんまり写真あげるとスタッフからあきれられるが、まあせっかくきれいに撮れたんだし次回妊婦健診できれいに撮れるかも分からないので・・・、まあいいじゃない。
気持ちとしては毎回お腹の赤ちゃんに会いに行くって感じ。今は外来で家族の付き添いもしていないので家で赤ちゃんの様子を伝えてもらうためのお手伝いしているという感じ。
自分も良い写真が撮れると,そしてそれをお母さんが喜んでくれるとこっちもうれしくなる。
産まれた後すぐ、そしてその子が大きくなったとき産まれる前からの記念写真見てみんなが笑う姿を想像してちょっとほくそ笑む。
最後は段々みえなくなることも多いので残念そうにされるとこっちもちょっと残念。
もちろん医学的に発育や異常がないかもがんばってちゃんと診ます。
さて今日もお腹の赤ちゃんにいっぱい会ってもらおう。
