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緊急事態宣言解除

 新型コロナウイルス感染に対する緊急事態宣言が全国で解除された。
閉塞した息苦しい生活からやっと開放されると安堵する一方、必ず第2波は来るといわれておりまだまだ安心は出来ない。世間の人々は今後も当分の間、新しい生活様式を模索しながら日常を取り戻す事になりそうだ。
 
 当院も緊急事態宣言後より面会、立ち会い、里帰り分娩などで皆様には大変なご不便とご心配おかけして申し訳ありませんでした。皆さんから診察の度に再開についての問い合わせが頻繁にあり、出来るだけ早く戻してあげたいという思いもあり心苦しく思っていました。
緊急事態宣言解除を機にまだまだ慎重にではありますが徐々に制限を解除していく予定です。近日中にお知らせしますが、今後の情勢もみながら段階を踏んで徐々に戻してい来たいと思いますのでよろしくお願いします。
 
 さて様々な解除がなされている中、やっと戻ってよかった〜と思うのは学校が再開したことだ。こんなに長い間(ふだんの夏休みより長く!)子供たちがずっと家にいるというのはほんと大変!(まあ特に大変だったのはほとんど嫁だったのだが)
巣ごもり生活も長期化してくると規則正しかった(?)生活はみだれてくるし、みんないらいら、もやもやとしてくる。友達と会えばすこしは良くなるかな。
ただ自宅で長期間巣ごもるというつらい状況でもかならず良いことはある。
今回の場合、子供達が今の時期にこんなに長く家で一緒に過ごせたことが長い目で見ると兄弟の結束を高める良い経験になったであろう事だ。
うちの子供らは今年の4月から各々通う学校がばらばらになり、普通ならそれぞれ勉強、クラブ、友達のことで各々忙しくなってくるはずだった。それ以前から一番上もすでに県外に出ていたし、外出できていた頃は各々の趣味趣向も違うので、徐々にばらばらになり始めてはいた。
しかし、コロナによる巣ごもり生活は長く家に居続けるという特殊な環境であるが為、夕食はほぼ毎日全員でワイワイ言いながら食べたし、ゲームなんかも子供達がお互いの能力を測りながらの協力プレイでみんな盛り上がる時間が過ごせた。こんな一体感を家族全員で共有できたのは本当に貴重な経験だったと思う。この先みんな大人になって離ればなれになってもずっと心の中で仲良くつながってくれたらうれしい。
 
 さて学校再開するがそういえば入学以降ほとんど行ってない。
出がけに「道に迷うなよ!」なんてやりとりを冗談まじりで声をかけると
「忘れるわけないじゃん!」と返事。
でも実は冗談ではなく少し心配が・・・
というのも自分は筋金入りのひどい方向音痴なのである。
 
 宇部にいた頃は行動範囲も狭かったので間違っても大きな問題とは思っていなかった。
大学に入り久留米に住むことになった時も新たな土地では土地勘もないのでやはり道に迷ってもそんなもんだと思っていた。そもそも道を尋ねて「この道を西の方へ」とか「筑後川方面へ」と言われたって分からないではないか。
しかし自分の方向音痴は人よりひどいんじゃないかと自覚しだしたのは医師になってからである。
産婦人科の新人医師はお産の当直なんてまだ出来ないから子宮がん検診に行くことがメインになる。4月になると筑後中心に数多くの公民館で癌検診が行われるので色々な町に自家用車で行かせてもらうことになる。これはこれで楽しくはあった。
通常日程が決まると健診の会社から地図が届くのだがこれが手書きだったりする。
ツボを押さえた地図だと推測されるがこの地図が自分には読めなかったらしい。一応行く前に行ったことのある同僚に聞くと「そんなに難しくないよ」とさらっと説明され自分なりにも場所を理解したつもりになる。
しかし実際現場に向かうと本当によく道に迷う。2回に1回は道に迷っていたと思う。
ただほとんどは時間内にたどり着いていたので大事には至っていなかったが、時間ぎりぎりになりどきどきしながら地図とにらめっこで必死にたどり着くといったこともよくあった。でもこれ程度のくらいは他のみんなも迷ってるもんだと思っていた。
 
しかしある日の癌検診にて
いつも通り早めに出たがやはり初めて行く健診場所に四苦八苦。
ただ今回はいつもと違い途中から本当に見当が付かない!
慌てると曲がる道を通り過ぎるし、道は通勤時間で混んでるから簡単に戻れない。しょうがないからこの辺で曲がって戻れば目的地に近づけると思ってさらに深みにはまってしまった。
そのときはすでにコンビニとかで聞いたけどさっぱり理解できず。
そろそろ遅刻しそうになるので大学医局から連絡取ってもらい検診の会社から連絡。
改めて今いる場所を説明し、指示を仰ぐがやっぱりどうしても地図の位置と教えてもらう場所が理解できない!
そしたらついに担当者が
「電話で先生の今いる場所は分かりました。
そこから動かないでください!、迎えに行きます。」
結局来てもらった車に誘導されて健診場所へ。怒られはしなかったが多分相当大分あきれられたであろう。このときに大分懲りたのでかなり慎重にはなったが、実はまだひどいエピソードはいくつもあったりする・・・
その後ほどなくしてカーナビというものが出て、高かったが生活必需品だと思ってすぐ買った。この重度の方向音痴はうちの子の誰かに受け継がれいるはずだ。

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