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マスク

 前回秋の気配でセミも店じまいかと書き綴ったが、10月とは思えない暑さが続く。(もう勘弁して)「まだまだ終わらんぞ〜」とツクツク法師ががんばってるなあ(と思ったが今日はさすがにいないか?)
 
 第100代の首相が誕生したかとおもえば今月末に衆院選だそうでなんだか慌ただしい。そんなことでコロナ感染は大丈夫なのかと新規感染者の推移を見るとワクチン接種のため??なのか順調に減少し、10/1にはなんと国内の緊急事態宣言がすべて解除された!
 このことは素直に嬉しい。ほんと久しぶりな感じ。当院も頑張って9/24より分娩立ち会いを再開しました。
 これが何回目の再開になるか忘れたが、分娩再開と聞いて皆さん喜ばれるとこちらも嬉しい。もちろん引き続き感染対策はしっかりしていきますね。
 また第6波は来ると言われているのでコロナ前の状態にすぐ戻るとはいかないが、せめて冷え切った心と身体に暖かさがジワーっと染み渡るまでの時間は欲しいな。
 
 そんな感染対策においてずっと第一線で活躍しているのは
 
ーーーー マスクである。
 
以前から冬の診療中はインフルエンザ予防などのこともありずっとマスクはしてたのだが、まさかこんなに何年も四六時中人前でマスクする生活をするなんて思わなかった。
 ただ暑さ最高潮の真夏に外のマスクはかなり大変だったからやっと秋になって少しましになったかな。(汗でぐしょぐしょのマスクはかなりやばい)
 これから秋冬は大丈夫だが来年春以降にマスクが外せるかどうかは、、、怪しいな
 
 しかし慣れるもんだ。今となってはずっとつけることに違和感はないし、みんながマスクをつけている光景も見慣れてしまった。
 
 ここまで日常的にマスク着用するとなるとおしゃれな人達はファッションの一部と位置づけ、さまざまな創意工夫を凝らしていてかっこいい。自分も真似したいが服に合わせてコーディネートなんてことができるはずもなく(ファッションセンスゼロ)、とにかく悩まない白の不織布マスクで年中通す様に決めている。(ポリシーがあるわけではない)
 
 マスク社会が通年となってもう一つ困ること
 
 患者さんの顔が覚えにくい。
 
 お産される患者さんとは妊娠から出産までで一区切りとなるため、内科のようにかかりつけの病院として患者さんを何年も定期的に診ていくことがない。(2人目、3人目のお産で間を開けて診させてもらうことはある)新型コロナ以降もうすでに2年近く経とうとする今では初産で当院を初診され分娩までずっとマスクをつけたまま、ということも結構おられる。
(お産の時外す場面もあるがバタバタしてるし,酸素マスクとかしてると見られない)
 
 そうすると実は唯一お顔を拝見できるタイミングが退院時だったりする。
退院時にみんなで写真を一緒に撮るのだがそのとき「記念ですからマスク外しましょうか」ということでマスクを外す。(化粧していないのではずしませんという方もおられるが・・・)
 そしてフッと顔を見た瞬間「おっ」という感じになることがある。初対面とも違う何か不思議な感じ。これまでお顔の上半分と声だけで作り上げてきた患者さんのイメージがマスクを外すと違っていることがあるのだ。ヒトはマスクで見えない部分を無意識に想像で補完するらしい。
 これは患者さんも同じ事で僕もその時マスクを外すと今アゴ髭を伸ばしているせいか僕の下半分の顔のイメージが違っていたのか患者さんも「おっ」となる。
 
 状況はちょっと違うが妊娠中に超音波の写真を夫婦で見ながら「誰に似とるんかねえ〜」なんて話していて産まれた赤ちゃんの実物に初対面して「お〜、こんな顔しとったか」という感じか。
赤ちゃんはまたしばらく経つとどんどん顔が変わっていくし、その成長,変化がまた楽しい。
 
 人と接する機会がかなり減ってきたコロナ禍の時代、だからこそ新たに出会うときの感動?うれしい気持ちは増えた気がする。
 
 こういう事色々考えるとふんわり楽しい。

エントランスのお花を秋バージョンに変えました

 風に秋を感じるようになりましたね。エントランスのお花を秋バージョンに変えました。まだまだ、街中は紅葉していませんが、紅葉の葉っぱを使うだけで、何だか秋っぽくなります。御自宅でもオレンジや赤の実が付いた枝等を飾ると良いですよ。後はドングリや柿、栗等も。是非、飾ってみてください。
朝と夜の温度差がありますので、体調管理に気を付けてお過ごしください。

ラジオ

 さて9月に入ってまだ日差しが厳しい日もあるが空気はもう秋、時々日暮れに鈴虫の声が聞こえる。(蝉たちはもう店じまいかな)
とりあえず過ごしやすくなって良かった。最近代謝が戻ってきたせいか暑いと昔のように異常に汗をかくようになった。汗をかくとすごく疲れるので良かった。「汗をかくことは体調が良くなってる証拠なのかな?」などど独りごちながら勝手に納得することにしている。(都合の良い性格)
 
 新型コロナワクチンの国内接種率のうち山口県はずっと全国トップらしくすごいことである。新規感染者数もようやく減少に転じ始め、第5波はなんとか収まってきているようで少しホッとするがまだまだ油断してはいけない。
ただなかなか立ち会い分娩を再開できないのはつらい。
患者さんに「申し訳ないが立ち会い出来ません」と説明すると皆さん文句も言わずに、でも少し悲しげに「しかたないですよね」っていわれるのが余計に申し訳ない。落ち着いたら出来るだけ早く再開しますからね。
 代わりというわけでもありませんが新しい看板の裏にメッセージを追加しました。(先日ブログに書いた入り口横の看板です)
 
 さて昨日はもともと全然違う方向に進んでるから大丈夫かと思っていた台風が何を考えているのか(何も考えていないと思うが)こっちに進路を変えてくるなんて寝耳に水である。
幸い大きな被害はなさそうだったがこうも頻繁に災害対策について考えさせられる機会があるなんて異常だ。
 
 今年度から宇部市では防災ラジオの運用を開始することとなった。それに伴い防災ラジオを 2,000円で配布してくれることになって当院も最近1台設置した。一見すると非常に懐かしい香りのするフォルムである。(ちょっと失礼では?)
 しかしいざ災害の危険が差し迫ったときには電源を切っていても自動でスイッチが入り、FMきららの緊急放送が大音量で流れるらしい。当院も24時間入院患者さんを抱えているのでいつでも館内放送できる形でセッティングしてもらった。こういった防災対策もしてくれると助かります。
 
 普段はラジオとしても使えるといわれたが館内放送に接続していて使えない。普段自分は部屋でFMきららさん拝聴しています。ぼくが福岡にいる間に出来た放送局で地元の情報満載でおもしろい。でも本来は防災ラジオとしての役目を担っていて今回ようやく面目躍如といったところか。(前からされていたのだと思いますが)
 
いただいたラジオを見ていると昔は良くラジオ聞いてたなあ、なんて事を思い出す。
 小学校高学年くらいのとき初めてモノラルラジカセを買ってもらい、最初は音楽を聴く手段として使っていたがご多分に漏れず徐々にラジオにはまっていった。深夜ラジオなんてのにもずいぶんお世話になって聴きながら勉強?してた。秋の夜長にラジオを流しっぱなしでのぺ〜としながら過ごすのは最高だ。
 テレビはあまり見なかったので世の情報の大半はラジオから得ることが多かったような気がする。宇部にいると福岡やぎりぎり大阪の放送局も入ったりして色々楽しませてもらった。
 あとはまったのが演芸番組。土日とか深夜ラジオ明けとかに落語とか漫才とかそういった寄席や演芸館などでやる大衆演芸を良くやってた。ただラジオは音だけなので出演者の名前とか芸風はよく知ってても顔は分からず、テレビで見て初めて顔を知ることも多かった。また動きも見えないのでときどき何で客が笑っているのか分からない。ひどいのは手品でその時間だけは何をやってるかさっぱり分からない。今考えるとよくそんな放送ラジオで流したものだ。(まあどんなことしてるか想像して楽しむのもおもしろかったが)
 こういった演芸は奇術、声まね、曲芸、漫談、講談、落語といった様々な芸が入れ替わり立ち替わり舞台披露される。ややマンネリでぬるま湯のようなないようではあるが予定調和のような安心感があり、でもお客さんの反応を見ながらアドリブで笑いを取っていく良い意味でのいい加減さが心地よい。演者やお客さん一体となってほんわか盛り上がる暖かい雰囲気が好きだった。
 
 今のお笑いもとても好きだ。しゃべりや笑いを取る技術もとても高く上手でおもしろいけど隙がほとんどなくってときどき息が詰まる。
 
 今は新型コロナの影響でもう2年近くみんな苦しい時代を過ごしているので世の中ギスギスするのは仕方ないのかなあーーとは思うけど、どこかにあの大衆演芸のような少しほんわかした遊びの部分もないといつか緊張の糸が切れちゃいそう。
 自分もせっかちで集中すると根を詰める方なので全然人のことはいえないのだが、病気を経験して以降ときどき「はっ、いかんいかん」と思って一息つくようになってきたかな。(そうでもないか)
 
 うちの子が心配してる「お父さん、こんなに毎日コロナ感染の人が増えたらもうすぐ山口県全員感染しちゃうんじゃない?」
——— イヤ・・・山口県人はおまえが思ってるよりもうちょっと多いぞ。
 
 こういうゆる〜い話しは好き。
 
 割と定期的にいろんな所から「ブログ見てます」といわれるんですが、そのたびにドキッとしてこんなブログで良いのだろうかと毎回不安になります。あとそこそこ続けているのでもしかしたら昔書いた話をまた書いたりするかもしれません。(気をつけてはいるんですが)

妊婦さんと新型コロナワクチン接種

 前回ブログまで絶好調だった蝉たちは盆休み期間の大雨で勢いを削がれてしまい、その後も天気がなかなか安定しないためなりを潜めてしまった。
「こっちは時間ないってのにこんなに雨が降られたんじゃ商売上がったりだよ」ってハッパの下で雨宿りでもしながら愚痴を言い合ってるかな。
 
 残念ながら今年も大雨被害が各地に及んでしまった。8月後半に入って大雨災害に見舞われるとは思わなかった。僕がいた久留米も今年で4年連続でまたもや水害に遭ってしまった。ニュースでは救助した人を乗せたボートを引っぱる消防隊の動画とか流れててびっくりした。僕のいた頃も水害はあったけどここまでひどくは無かったと思う。年々ひどくなってるのか。
服部県知事や赤羽国土大臣が視察に入ったようなのでやはりかなり問題視しているのであろう。
 ただ久留米在住の知り合いに何人か連絡を取ったが、「まあ今年もいつもくらいの感じです」って—-いやいや慣れすぎなんじゃないの。
 といいながら山口県も宇部市を含め崩落や浸水など見られておりどこも人ごとではないなと改めて思った。
 
 今回のブログ更新が早いのは非常につらく悲しいニュースを見たから。
 千葉県の妊婦さんが妊娠8ヶ月で新型コロナに感染したが受け入れ先が決まらず、そうこうするうちに自宅で出産して赤ちゃんは亡くなったというニュース。
 
 一人の産科医師としてこれは本当に胸が痛い。
 
 事の詳細は報道のみでよく分からないので何ともいえないが、本当に残念で仕方ない。
 このニュースは当院に通院中の妊婦さん達にも衝撃的だったようで皆さん「知ってます」と言われ、コロナワクチン接種を迷っていた方も打ちますと言う方が一気に増えた。
 産婦人科学会の共同声明でも「妊婦さんは時期を問わずワクチンを接種することをお勧めします。」と積極的に推奨する方向へ文言が変わった。国も妊婦さんを優先接種者と位置づけはじめた。
 副反応が心配という方もおられると思いますが、当院ホームページのお知らせに学会の提言も掲載していますのであらためてご検討ください。
不明な点は受診時に相談して貰えば説明しますからね。
 僕はお母さん達に悲しい思いをて欲しくないです。
 
 コロナの影響で今年は早々に2学期が再開されると分かっているのに子供らはヒイヒイ言いながら宿題やってた。
 夏休みの4コマ
夏休み始め     大金持ちの気分
夏休み中盤     残りのお金を数えてる気分
夏休み最終日   「わしゃダメな人間じゃ〜」
二学期始業日の朝 「はっ!今までのは全部ユメだったのか」  
てのがある。いや〜すごくよく分かる、いしいひさいちすごいな。

新型コロナと東京オリンピック

 連日うだるような猛暑日でいずこでは最高気温40℃などというとてつもない場所も出ているようで熱中症など心配だ。(とか書いてたらこれからしばらく雨だそうで逆に大雨災害の方に注意が必要だそうです)
 蝉たちは「よっしゃ、みんな盛り上がっていくぜ!」ってな感じで院内の木に止まって最高潮の合唱を奏でる(奏でるというより「がなってる」)。地面をみると蟻たちが黙々と自分たちの仕事をこなし、クモたちはあっちこっちと巣を張って罠作りに余念が無い。
みんな元気だ。
 下の子は虫が苦手なので室内で虫を見つけようものなら、ぎゃ~と叫びながら飛んできて
「虫やっつけて~!」。
小さい虫なら良いじゃないって言ってももうダメ。やれやれ
 
 新型コロナ感染はこの暑さとは関係なく第5波に入ってきているようで1都3県だけでなく全国的に増加している。緊急事態宣言、蔓延防止でも人流を抑えることは難しく、コロナワクチンも進んではいるがまだ効果を実感できるまでには至っていない。山口県もジワジワ増加しており、このまま行くと近日中にまた分娩立ち会いを中止するかもしれません・・・
 
 この混沌とした状況の中で東京オリンピック2020は開催された。
 開催についてはさまざまな意見があると思うが、新型コロナウイルス感染の蔓延自体が初めてのことであり、今の時点では何が正しくて何が間違っているのかなんて誰にも分からない。その中で大会を運営し、現場でがんばられたスタッフのご苦労には頭が下がる。
 個人的には学生時代に柔道をしていたこともあり柔道はほぼ全て見た。今回日本に多くのメダルをもたらしてくれたことは素直に嬉しい。少なくともコロナで荒んだ日本人の心に違う角度から大きな力を与えてくれたのではあるまいか。
 特に心に残ったのは柔道男子73kg級で金メダルを取った大野将平選手の試合後のインタビュー。「賛否両論ありますが、我々アスリートの姿を見て何か心が動く瞬間があれば本当に光栄に思います。」――― はい、アスリートの一挙手一投足には大きく魂を揺さぶられました。
 武道の精神である「礼にはじまり礼に終わる」は、お互いを尊重し敬意を表す所作である。競技中は激しくぶつかり合っても試合が終わればお互い抱擁、握手を交わし笑顔になる。これまでも競技ではよくみられる光景だったが今回のオリンピック中はそのような場面に遭遇する度に何かいつもとは違う感動と安心を覚えた。
 新型コロナと経済再生といった難しい舵取りにおいても激しく議論することは必要だが、根っこでお互いの心は一つにまとまっていくことがこの問題に打ち勝つ大きな鍵かもしれない。
 もうひとつオリンピック全体を通しての感想は、オリンピック前まで世界は大国の対立、紛争に加え新型コロナで完全に各国が分断、孤立してきているんじゃないかと言った不安をあおられるものが多かったが、今回なんとか各国の人達が一堂に会し、お互い直に接して笑ったり泣いたりする姿を見て、
「他国の人たちもみんな孤独で寂しかったんだ、おんなじ気持ちだったんだ」ってことを肌で感じられてなんだかホッとした。
 妊婦さんもなかなか友達や妊婦仲間と会う機会が極端に減って孤立しがちなので出来るだけそうならないようサポートしてあげたい。
 
とかなんとか考えながら自分の治療は治療で粛々とやっている。僕の場合はこの病気という困難に主治医だけでなく病院スタッフ、加藤先生や家族みんなに助けられながらその上、仕事までさせてもらって途方も無い果報者だと思う。さらに仕事していると患者さんからも応援してもらってどっちが患者か分からない。
「先生もお身体に気をつけて」
「先生、次もお願いしますね」
「二人目三人目もここでお産するつもりなんだからがんばって下さいね!」
 
―――はい、これからもがんばりますよ。

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